macOSコンピュータに働きかける

MobiControl v14 Manual

2021年 11月 4日

A. macOSコンピュータに対する働きかけ

端末の定常的な挙動を設定するには、「構成プロファイル」、「詳細設定」、 及び「ルール」の設定、追加、または変更を行います。

定常的な挙動設定をした前提の上で、端末に非定常的な働きかけをすることがあります。例えば、端末画面にメッセージを表示したり、端末画面をコンソールに映したりなどです。
端末に対し、非定常的な働きかけを行うには、以下説明するアクション項目を選択します。

B. 対象となるmacOSコンピュータを選択

(図1)の赤矢印ののように、端末一覧画面のフィルタを、端末種別 = macOS とすると、macOSコンピュータだけが、画面表示されます。
画面のフィルタ設定に関しては、コンソールでの端末フィルタを参照ください。

(図1)

働きかけをするmacOSコンピュータの左側の〇にチェックを入れます。複数のmacOSコンピュータを選択できます。
の〇にチェックを入れると、画面の全ての端末を選択できます。

C. macOSコンピュータに対するアクションメニューを表示

対象とするmacOSコンピュータ群を選択すると、(図2)のようなメニューが下辺に現れます。
これの中からアクション項目を選択すると、端末に働きかけができます。
(図2)の右端の「その他」を選ぶと、更に多くのアクション項目がプルダウン表示されます。
(図2)のアクションバーのアイコンは、他のアクション項目と入れ替えができます。「D. アクションバーの項目を頻繁項目に取換える
(図2)
  1. MDMプロファイルを更新
    MDMプロファイルの失効日が近づいたときに、実行します。 端末で、「設定」-->「一般」-->「プロファイルとデバイス管理」-->「MobiControl Device Management」-->「詳細」を選択すると、 「デバイスID証明書」と「署名用証明書」の各々の有効期限が示されています。 これの有効期限の失効が近づいたら、このアクションを実行します。
  2. OSアップデートのスキャニング
    MobiControlは、チェックインしてくるmacOSコンピュータに対し、24時間に1回は、Appleサーバにアクセスして OSの最新のバージョンがリリースされているかどうかをチェックさせます。 このアクションを実行すると、対象のmacOSコンピュータに、今すぐ、このチェックをさせます。
  3. OSをアップデート
    OSのアップデートを実行します。
    Appleサーバから、各コンピュータにアップデートファイルがダウンロードされ、インストールされます。
  4. スクリプトを送信
    MobiControl独自スクリプト、又は BASH Shell、JavaScript、Perl、Python で記述したスクリプトを、macOSコンピュータに送付します。 「macOSコンピュータにスクリプトを送る」を参照ください。
  5. ソフトリセット
    macコンピュータの電源を瞬間的にオフにし、再度起動させます。
  6. チェックイン
    MobiControlサーバにチェックインするように、端末に対する要求をAPNs経由で送信します。
    詳しくは、iOS チェックインと接続を参照ください。
  7. メッセージを送信
    端末の画面に メッセージを表示する。
  8. リモート操作
    コンソールにリモートのmacOSコンピュータの画面を表示します。端末側操作のリモートビューができます。 macOSコンピュータからMobiControlサーバへ「接続」をしているときに行いますが、macOSコンピュータは、デフォルトで、接続を継続しています。
    MobiControlサーバを、v15.2以上にアップグレードすると、macOSコンピュータの画面をリモート操作できます。
(図3)
  1. ロック
    端末の画面をロック画面に変えます。
  2. 削除
    端末のMobiControlへの登録を解除。「「削除」と「登録解除」の違い」を参照。
  3. 初期化(Wipe)
    端末を工場出荷時点の状態への初期化(WIPE)をします。端末購入後インストールしたアプリや 端末内のユーザデータは削除されます。
    これを選択すると、対象端末のPINコードの入力を要求されます。詳しくは、「G. 初期化(Wipe)には、PINコードが必要」を参照ください。
  4. 切断/中断
    電源をオフにします。
  5. 登録解除
    端末のMobiControlへの登録を解除。「「削除」と「登録解除」の違い」を参照。
  6. 無効化
    端末とサーバとの交信を中止します。「構成プロファイル」「ルール」及び「詳細設定」を変更しても、端末には反映されなくなります。 16項「有効化」を実施すると、交信を再開します。
  7. 名前変更
    コンソールでの端末の名前を変更。
  8. 有効化
    14項「無効化」で、端末とMobiControlサーバとの交信を停止していた場合に、交信を再開する場合に適用します。 「構成プロファイル」「ルール」及び「詳細設定」の変更を端末が再度受け付けられるようにします。 また、「ルール」が規定するデータやファイルの送受も実施できるようにもどします。

(表1)
「削除」と「登録解除」の違い


11.削除15.登録解除
MobiControlサーバへの登録解除解除
配布したプロファイルやアプリ削除削除
位置履歴など端末からの収集データ抹消保存したまま
端末一覧での表示非表示表示継続。従い、収集データを閲覧可能。
端末ライセンス解放保持したまま
再登録初回登録と同じ手順 Safariが起動し、登録プロファイルのインストールの画面が表示されます。以下、画面に従って、タップをすれば、再登録されます。サーバに保存されているレコードを継承します。

D. アクションバーの項目を頻繁項目と取換える

上の(図2)には、アクション項目が横に並んでいます。これをアクションバーといいます
項目によっては、あまり頻繁に使わない項目があるかもしれません。

これを、頻繁に使う項目に取り換えることができます。

(図4)
「その他」を開き、アクションバーに昇格表示したい項目を選びます。
(図4)のように、右側に、黒い星のマークが表示されます。
この黒い星を、マウスで長押しします。
(図5)

黒い星が、金色の星に変わります。アクションバーに昇格表示したい項目を7つ選び、金色の星に変えます。
(図6)
端末一覧から端末を選ぶと、アクションバーの項目が(図6)のように変わります。金色の星を付けたアクション項目が、アクションバーに並びました
上の(図2)や(図3)と比較してください。

このアクションバーから項目を選ぶことで、対応するアクションを端末に適用できるようになります。

「その他」を、押すと、金色の星のアクション項目が、最上部に表示されます。

金色の星の項目を、元に戻すには、金色の星の部分を長押しします。黒色の星に戻ります。

E. 端末グループ単位での働きかけ

左側ペインの端末グループの右端の3点マーク(緑丸)をクリックし、現れるメニューから「アクションを実行」を選択することでも、(図7)のように、 アクションメニューが現れます。
このメニューでのアクションは、端末グループの全ての端末宛に適用されます。 同一端末グループ内の異なるOSの端末(Android端末やWindows PCなど)にも適用されます。
逆に、iPhoneやmacOSコンピュータには、適用できないアクション項目も、含まれています。

(図7)

F. OSのアップデートをコントロール

  • OSアップデートは、無期限に延長できない
    ABM経由自動登録した 監視モードのmacOSコンピュータのOSアップデートを無期限に、延ばすことはできません。
    デフォルトでの延長期間は、AppleがOSの新しいバージョンをリリースをしてから、30日間です。それに対し、 構成プロファイルを割り当てることで、90日間まで延長できます。
    この延長の間に、アップデートしたOSの基でも、業務アプリが正常に作動するかどうかを、検証用端末で、検証願います。 もし、正常に作動しない場合は、業務アプリの改造をすることになります。
  • 強制アップデートができる
    業務アプリに影響がないことが判明したら、コンソールの操作で強制アップデートができます。

ABM経由登録をしてないmacOSコンピュータ、つまり監視モードでないmacOSコンピュータは、OSのアップデートを強制されません。

  1. OSアップデートの延長方法
    (図8)は、「macOSコンピュータの機能とコンテンツの制限」 または
    macOSコンピュータの機能とコンテンツの制限 」で、「アプリ」タブを選択した画面です。
    デフォルトの30日を、任意の日数に変更します。最大90日間まで延長できます。 この90日の意味は、現在のバージョンの1つ上のバージョンのリリース日から90日目まで延長ができるということです。 また、バージョンアップされる対象のバージョンは、その90日目時点での最新バージョンとなります。
    従って、現在のバージョンの1つ上のバージョンではなく、それより上のバージョンにアップデートされる可能性もあります。 最新より、手前のバージョンへのアップデートは、できません。

    (図8)

  2. macOSのリリース日と、その90日後の日付を表(2)に示します。日付は、米国 Pacific Time Zoneの日付です。

    (表2)

    macOSの
    バージョン
    入手可能になった日リリースから90日目
    Big Sur 11.42021年5月24日2021年8月22日
    Big Sur 11.52021年7月21日2021年10月19日
    Big Sur 11.5.12021年7月26日2021年10月24日
    Big Sur 11.5.22021年8月11日2021年11月9日
    Big Sur 11.62021年9月13日2021年12月12日
    Big Sur 11.6.12021年10月25日2022年1月23日
    Monterey 12.0.12021年10月25日2022年1月23日
    詳しくは、Appleのドキュメント 「Apple セキュリティアップデート」を参照ください。
  3. OSの強制アップデート方法
    OSのアップデートをしても、業務アプリに影響がないことが、判明すれば、上記 a.項の延長期間にかかわらず、対象とする端末のOSを強制アップデートできます。
    Appleが、OSのアップデートをリリースしたのに、まだアップデートを実行していないmacOSコンピュータのステータスは、次の (表3)が、示す通り、2種類あります。Aのステータスの端末は、Bのステータスに移行させる必要があります。Bのステータスに移行させてから、アップデートを働きかけます。

(表3)

ステータスA B
Appleがアップデートをリリースしたことを認識しているか否か 認識していない 認識している
「端末の詳細」画面の「OS アップデートを入手できます」の項目の値 「なし」の2文字 入手できるOSの
新しいバージョン番号
アップデートの方法 (図3)の「3. OSをアップデート」を押しても、端末は、それを無視します
(図3)の 「2. OSアップデートのスキャニング」を押して、端末を、Appleサーバにアクセスさせ、 新しいバージョンがリリースしたことを、端末に認識させます。認識をした端末は、Bのステータスに移行します。
(図3)の「3. OSをアップデート」を押します。(図9)がポップアップします。

Bのステータスの端末に対して、(図3)の「3. OSをアップデート」を押すと、(図9)がポップアップします。

(図9)

(図9)の「OSアップデート方法」欄の右端をプルダウンすると、(図10)のように、5つの選択肢が現れます。

(図10)

5つの選択肢の中から1つを選び、「OSをアップデート」ボタンを押します。
  • ソフトウェアアップデートのダウンロード後、インストールを行う
  • ソフトウェアアップデートのダウンロードをするが、インストールをしない
  • すでにダウンロード済のソフトウェアアップデートをインストールする
  • App Store (macOS 限定)からのソフトウェアアップデートをダウンロードしてユーザに通知
  • ソフトウェアアップデートをダウンロードして後でインストール (macOS 限定)

「端末の詳細」画面の「OS アップデートを入手できます」の項目の値が、「なし」になれば、端末のOSが最新バージョンにアップデートしたことを意味します。

macOSコンピュータは、(図10)の実行時点での最新バージョンのOSにのみアップデートされます。 最新より、手前のバージョンへのアップデートは、できません。
macOSコンピュータのOSのダウングレードはできません。

G. 初期化(Wipe)には、PINコードが必要

コンソールから、macOSコンピュータを、リモートWipeをするには、そのPINコードを、事前に把握しておく必要があります。
macOSコンピュータに対する働きかけで、初期化(Wipe)を選択すると、(図11)のようなポップアップが現れます。

(図11)

(図11)の赤枠部分に、対象となるmacOSコンピュータの6桁のPINコードを入力してから、下辺の「初期化(Wipe)」ボタンを押すと、 macOSコンピュータは、工場出荷状態に戻ります。

macOSコンピュータのPINコードは、端末ユーザが、ご存じですから、予め、ご聴取ください。 そして、各端末毎の、「メモ」に、そのPINコードを書き込んでおきます。

(図12)

(図12)は、対象デバイスを選択すると現れる画面の上部です。これの右端のタブ「メモ」を選択すると、そのデバイスに関する各種メモを、書き込み保存できます。

端末ユーザが、PINコードを覚えてないときは、下記のApple社のドキュメントを参照して、PINコードを表示することを試行ください。
Mac をなくしたり盗まれたりした場合
このページの「Mac のロックを解除するにはどうすればよいですか?」 のセクションを参照ください。

H. アラートルールを作成

端末への働きかけの結果が、「成功」の場合もあれば、「失敗」の場合もあります。 これらの結果をログとして取得するために、アラートルールを作成します。

アラートルールは、原則として、ルートとなる端末グループ、または、上位の端末グループに、適用しておきます。 従って、1回設定しておけば、新たに登録する端末にも、自動的に適用されます。

アラートイベントには、「端末側で認識するアラートイベント」と、「サーバ側で認識するアラートイベント」があります。

以上のアラートルールを設定ください。
アラートイベントに対するMobiControlの対応は、その警戒度に応じて3つのレベルがあります。
  1. ログに記録しておくだけ
  2. 関係者へのメールを自動送信
  3. 該当端末の隔離
従って、同じ端末グループを対象にして、3種類のアラートルールを作成しておきます。