Android端末登録ルールの作成
A. 端末登録ルール作成の前に知っておくこと
A-1 「端末登録ルール」作成の目的
「端末登録ルール」を作成する主な目的は、端末が所属する予定の端末グループを指定する一方、「端末登録ルール」のIDとなる 「登録ID」と「登録用サーバアドレス(URL)」を生成することです。(図A1)
端末には、MobiControlエージェントというアプリをインストールします。このアプリをインストールすると、(図A1)のような画面が現れます。 これに、登録ID(8桁)または、登録用サーバアドレスを入力します。
登録用サーバアドレスを、MobiControl Stageというアプリを使ってQRコード化しておくと、それを読み取ることでも、登録用サーバアドレスを入力できます。 その際は、画面の下部にあるQRコードのアイコンをタップすることで、QRコードリーダが作動し、QRコードを読み取ります。 登録IDまたは登録用サーバアドレスの入力を得た、エージェントは、MobiControlサーバにアクセスします。そして、登録用サーバアドレスのサブディレクトリ部分 をサーバに提示します。 MobiControlサーバは、提示された登録用サーバアドレスのサブディレクトリから、それにに紐づけられた端末登録ルールを認識します。 そして、その端末登録ルールが指定した端末グループに、端末を登録します。A-2. 端末登録ルールと端末グループの関係
MobiControlの端末グループは、企業/団体の組織構造を反映して、階層構造とすることができます。
MobiControl設定を、総覧的にご理解いただくために「MobiControlの設定順序」 のページを、お読みください。例えば「本部」「部」「課」の階層構造の場合だと、「課」単位の端末グループ毎の端末登録ルールを作成します。 「端末登録ルール以外のルール」「構成プロファイル」及び「端末の詳細設定」は、端末グループ別に適用します。これらは上位の端末グループ(本部など)に適用し、 多くの端末に一括適用することもできますが、最下位グループ(課など)に適用し、最下位グループ別に細かく適用することもできます。
端末の設定分野には「構成プロファイル」と「ルール」と「詳細設定」 があります。詳しくは、 構成プロファイルとルールと詳細設定 を参照ください。
そのために、端末登録ルールは、最下位グループ別に作成しておく必要があります。 例外として、「部」単位の端末登録ルールを作ることもできます。そして、部長席のユーザの端末は、「部」単位の端末登録ルールに則って登録することもできます。「本部長席」のユーザの 端末に対しても同様に「本部」単位の端末登録ルールを作成します。 同じ端末グループを対象に、複数の端末登録ルールを作成し、端末に適用させることができます。 例えば、同じ端末グループに登録することを目的としながらも、「Android Plus」のモードで登録する端末宛の端末登録ルールと、「Android Enterprise」のモードで登録する 端末宛の登録ルールを、別々に作成できます。A-3. 端末IDから登録用URLを取得
登録用URLは、貴社が使用するMobiControlサーバのアドレスとサブディレクトリ(パス)から構成されます。登録用URL
端末のアクセスを受けたMobiControlサーバは、このサブディレクトリで、紐づけられた端末登録ルールを認識します。 そして、端末登録ルールが指定した端末グループに、端末を登録します。
登録IDの入力で登録する場合は、端末は、次の手順で、登録用URLを取得し、MobiControlサーバに申告します。(図A2)
MobiControlサーバは、登録用URLのサブディレクトリ部分から、紐づけられた端末登録ルールを認識します。 そして、その端末登録ルールが指定した端末グループに端末を登録します。 (図A1)のMobiControlエージェントの登録画面で、登録用URLを入力した場合は、上記の と をスキップし、 から登録手順を始めます。 端末が、閉域網にある場合は、インターネットに接続できないので、SOTI Enrollment Serviceにアクセスできません。 その場合は、(図A1)のMobiControlエージェントの登録画面で、登録用URLを入力します。
- 最初に、クラウドにあるSOTI Enrollment Serviceにアクセスし、登録IDを申告します。
- 端末は、SOTI Enrollment Serviceから、登録IDに連関する登録URLを取得します。
- 端末は、取得したURLに基づき、MobiControlサーバにアクセスします。
その登録用URLは、イントラネットのDNSサーバが発行したサーバURLと、MobiControlサーバが作成するサブディレクトリ部分で構成されます。
イントラネットのDNSサーバが無い場合は、イントラネットのIPアドレスがサーバアドレスになります。A-4. Android端末の設定モードは、2種類に大別
Android端末の設定モードは、2種類に大別されます。その内、Android Enterpriseは、更に2種類の設定モードに分けられます。
- Android Plus
- Android Enterprise
- b-1. Device Owner Mode
- b-2. Profile Owner Mode
左の設定モードの違いについては、
「Android Plus」と「Android Enterprise」
を参照ください。A-5. MobiControlエージェントのダウンロード元
端末のセットアップは、MobiControlエージェント(APKファイル)のダウンロードとそのインストールから始まります。 適用できるダウンロード元を、下表に示します。
登録モード ダウンロード元 端末のネットワーク環境 インターネットに
接続可能インターネットに
接続不可能(閉域網)Android
PlusSOTIのダウンロードサイト MobiControlサーバ Android
EnterpriseGoogle Play MobiControlサーバまたは
イントラネットの
ファイルサーバ 注 推奨。理由は、MobiControlエージェントのバージョンアップが容易だから。但し、v14.3以降で本格的な適用が可能。A-6. 管理者用Googleアカウント
上の表で、水色のセルに該当する場合、つまり、閉域網にない端末を、 Android Enterpriseモードに設定する目的で、端末登録ルールを作成する際は、事前に、管理者用Googleアカウントを取得しておく必要があります。 管理者用Googleアカウントには、下表のように2種類があります。
貴社のAD_DSのGoogleとの連動 アカウント取得方法 managed Google アカウント 必要 「G. Suiteアカウントの作成と
Googleとのバインド」を参照managed Google Playアカウント 不要 「managed Google Play
アカウントの作成」を参照注 AD_DS:Active Directory Domain Service。
端末ユーザのAD_DSのUPNが、登録した端末でのGoogleアカウントになります。A-7 登録時に、認証サービスで認証させるかどうか
端末ユーザが、認証サービスのグループのメンバーであるかどうかを確認するために、端末を登録するプロセスで、 認証サービスによる認証をさせることができます。
認証サービスには、「ディレクトリサービス」と「IDプロバイダ」の2系統があります。
ディレクトリサービス オンプレミス AD_DS、Dominoなど クラウド Azure AD IDプロバイダ オンプレミス AD_FS、AD_FS以外 クラウド Azure IdP、Azure IdP以外 AD_DS:Active Directory Domain Service
AD_FS:Active Directory Federation Service
AD_FS以外のIDプロバイダ:Okta、PingFederateなど
- ディレクトリサービスによる認証をさせるには、端末登録ルールの作成の前に、 「ディレクトリサービス接続プロファイル」を作成しておきます。
- IDプロバイダによる認証をさせるには、端末登録ルールの作成の前に、 「IDプロバイダ接続プロファイル」を作成しておきます。
- 認証サービスによる認証をすることによるメリットについては、 「認証サービスによる認証」を参照ください。
- 端末登録時には、認証サービスによる認証操作をスキップし、後に、端末ユーザ自身で、認証操作をして貰うこともできます。
- キッティング時には、認証サービスによる認証を不要とする端末登録ルールで登録
- 認証サービスによる認証を必要とするように、該当の端末登録ルールを編集(修正)
- コンソールで、端末を一時的に登録解除
- 端末では、MobiControlへの登録画面が表示されるので、「登録」ボタンを押す。登録IDまたは登録用URLの入力を不要にすることもできます。 「端末での登録解除の禁止」を参照。
- 端末は認証サービスにリダイレクトし、 その認証画面を表示します。端末ユーザがユーザ名とパスワードを入力します。そして、MobiControlに再登録されます。
A-8 構成プロファイルは、認証サービスのユーザグループを割当て対象にできる
構成プロファイルは、端末単位や端末グループ単位で、割り当てることができますが、認証サービスのユーザグループにも割り当てることが できます。
1つのユーザグループに、MobiControlの複数の端末グループをマッピング(紐づけ)させておくことができます。 その場合、1つのユーザグループに、割り当てられた構成プロファイルは、マッピングしてある全ての(MobiControlの)端末グループの端末に、 配布され、展開されます。(図A3)
「認証サービスのユーザーグループ」に割り当て
A-9 端末グループの指定方法
端末登録ルールの作成では、次の選択肢画面が現れます。(図A4)
端末の登録先となる端末グループを指定する方法には、次の3種類があります。
(図A4)で、次の3つの選択肢のどれかを選択します。a-1 と a-2 の場合は、(図A4)で「手動」を選びます。
- 端末登録ルールで、端末グループを直接指定
- a-1 認証サービスによる認証をしない
- a-2 認証サービスによる認証をする
- 認証サービスのグループを指定し、端末グループを間接的に指定
(認証サービスのグループを端末グループにマッピングしておく)
b.の場合は、(図A4)で、「ユーザーグループメンバーシップに基づく」を選びます。 端末登録ルールの作成に当たっては、下表の(1)から(12)の、どの選択肢を選ぶかを、事前に決定しておく必要があります。
登録モード 端末グループの指定方法 a-1 a-2 b. Android Plus (1) (2) (3) Android
Enterprisemanaged Google
Playアカウント(4) (5) (6) managed Google
アカウント(7) (8) (9) 管理者用Googleアカウントを不使用。端末が閉域網内。 (10) (11) (12) B. 端末登録ルール名の入力
端末登録ルール名の入力画面(図B2)が現れます。
(図B1)
(図B1)のAndroid端末のルールの一覧を表示するには、 Android端末のルールの設定を参照ください。 (図B1)で、「端末の登録」を右クリックすると、「端末登録ルールの作成」の文字列が現れます。これをクリックすると、(図B2)の設定ダイアログがポップアップします。(図B2)
赤い背景色の部分に、ルール内容を連想しやすい文字列を入力します。
(図B3)は、そのサンプルです。(図B3)
名前の入力が終われば「次へ」のボタンを押すと(図C1)が現れます。
C. 登録先端末グループの指定
(図C1)
ここで、次の3つの選択肢のどれかを選択します。
- (図C1)で「手動」
端末登録ルールで、端末グループを直接指定
- a-1 認証サービスによる認証をしない -->C-1
- a-2 認証サービスによる認証をする -->C-2
- (図C1)で、「ユーザーグループメンバーシップに基づく」
認証サービスのグループを指定し、端末グループを間接的に指定
(認証サービスのグループを端末グループにマッピングしておく) -->C-3
下記のをクリックください。
説明を開いた状態 説明を閉じた状態 H. 設定内容の確認
今までの設定内容が表示されます。この内容で良ければ、「終了」を押します。 修正をする場合は、「戻る」を押します。(図H1)
I. 登録IDの生成
(図H1)で「終了」を押すと、(図I1)が表示されます。この時点で、端末登録ルールの作成は終了しました。(図I1)
端末をキッティングする人に、(図I1)の登録IDと登録用URLを連絡します。 (図I1)で、「メールで登録IDの通知」ボタンを押すと、コンソールでメーラーが起動します。 本文に、登録IDと登録用URLが記されています。(図C3)で登録時のパスワードを設定した場合は、 そのパスワードも連絡します。
キッティングをする人のメールアドレスを入力して、送信します。(図I2)
(図I2)は、登録IDの発行と、それを端末がMobiControlサーバに提示するまでのプロセスを示しています。
(図H1)で「終了」を押すと、(図I2)の から までが実行され、(図I1)が表示されました。
続けて、(図I1)で、「メールで登録IDの通知」ボタンを押すことは、 を実行することです。J. 登録IDと登録用サーバアドレス
作成した端末登録ルールの名前にマウスを載せると、その端末登録ルールの内容が(図J1)のように表示されます。 MobiControlサーバが閉域ネットワークにあるときは、(図J1)では、登録IDは表示されません。 しかし、「端末登録サイトのURL(登録用サーバアドレス)」は、イントラネットのDNSサーバのURL、 または、プライベートIPアドレスに、サブディレクトリが付与された型式となります。(図J1)
K. 作成済の端末登録ルールの編集その他
(図K1)
(図K1)で、対象となる端末登録ルールを右クリックすると、(図K1)のようなメニューが現れます。
- 作成済の端末登録ルールの中身を修正する場合は、「ルールの編集」を選択します。 「ルールの対象グループ」、「登録時の認証方式」、「利用規約書」、「適用期間」などを修正することができます。
- 「登録ID発行の停止」を選択すると、中央ペインの登録IDの部分が空白になります。更にプルダウンメニューの 「登録ID発行の停止」が「登録ID発行の開始」に変ります。(図K2)参照
(図K2)
- (図K2)で「登録ID発行の開始」を押すと、新しい登録IDが発行されます。今後は、この新しい登録IDを使わないと 新規に端末を登録できなくなります。
- この登録IDの再発行は、セキュリティ対策上、次のような場合に役立ちます。 部外者が登録IDを知ると、Mobicontrolに自分の端末を登録できてしまうからです。登録IDを時々、変えると、このようなリスクを防げます。
(図K3)
- 「ルールの適用中止」を選択すると、臨時的に、その登録IDでは登録できなくなります。 登録済の端末がMobiControlの管理外になるということではありません。また、端末登録ルールが削除された訳ではありません。
- 「ルールの適用中止」を選択すると、この文字列が「ルールの適用開始」に変わります。これを押すと、当該ルールの適用が再開します。
- 「ルールの削除」を選択すると、当該ルールは削除されます。復活はできません。
L. エージェントに対するプラグインを配布
端末の登録が終わったら、端末に対してエージェントに対するプラグインを配布してください。
プラグインをインストールすると、端末の管理機能が強化されます。
プラグインを適用してないAndroid Enterprise端末に対しては、端末画面のリモートビューは、可能ですが、 端末画面のリモート操作はできません。プラグインを適用することで、端末画面のリモート操作が可能になります。 詳しくは、「Android端末へのプラグインのインストール」を参照ください。