MVNOの競争を透明に

すっかりコモディティ化した「スマホ」や「タブレット」ですが、これらの普及は通信キャリア(MVO)の様々な努力の成果の表れです。

当たり前になってきた「スマホ」や「タブレット」の利用ですが、近頃では「通信料」が高いとみなされ、代替プランが多く出てきました。

これらの代替プランを提供しているのが「MVNO」(仮想移動体通信事業者)です。

通信キャリアから回線を借り受け、独自のプランを作って、中には「格安」な金額で通信を提供しています。

この「MVNO」は210社にも増えています(総務省調べ、2015年12月末時点)。

契約数も約1155万件で移動系通信の契約数全体の「7.2%」になっています(総務省調べ、2015年12月末時点)。

様々なMVNOが様々なサービスを展開していますが、通信キャリアが「競争の透明化」を求められ今の姿に落ち着いてきた様に、次の段階として、MVNOにも「競争の透明化」が課題となっています。

そこで、総務省は「通信速度」をキーワードとして、「競争の透明化」を図ろうとしています。

データ通信速度の進化は凄まじく、現在は受信時最大「375Mbps」となっていますが、3月以降は「682Mbps」の提供も始まります。

ただし、これらの数値は「理論値」であり、実効速度としては概ね53Mbps~91Mbps(NTTドコモ)となっている様です。

更に、通信回線を借り受けているMVNOでは、借り受け時の契約により、もっとバラツキが多い状況です。

この「バラツキ」を通信速度の「開示」によって明らかにし、「競争の透明化」につなげようとしています。

通信キャリアは総務省の要請により、全国1500箇所で通信速度を計測し、ホームページで公表していますが、同様な基準でMVNOにも要請を行う方向です(ただし、測定箇所は減数される見込)。

この要請で、実際の通信速度と提供する料金での比較が容易になり、質の向上にもつながると期待されています。

フルスピードを謳っていても、場所や時間によって「ほぼ繋がらない」といってもいい状況になるときもあるので、歓迎すべき施策です。

この取組は2017年度にも実施の見込です。

単純に「速度」といっても、面白い提供もあります。

京セラ子会社の京セラコミュニケーションシステム社は免許不要の920MHz帯を利用した通信事業を展開し、この通信速度が「100bps」です。

書き間違いではありません。

「100bps」です

色々な提供方法があるんだなぁ、と考えさせられます。

Wi-Fiスポットにも注意

豊富なコンテンツを持っている割には来日観光客が少なかった日本ですが、訪日外国人の増加を見込み観光立国(?)を目指し、様々な施策を実行しています。

この結果、訪日外国人(インバウンド観光客)の著しい増加があり、政府目標を上回る成果が出ています。

「モバイル」の観点から考えると「通信インフラ」の整備がまだまだな感じがしていますが、徐々に整いつつある状況を以前の記事で紹介しています。

今では様々な場所で「Free Wi-Fi」スポットも増えて、訪日外国人にとっても便利な環境が整ってきている様です。

NTT-BPは訪日外国人向けに利用できる「Wi-Fi」スポット検索、接続アプリの「Japan Connected-Free Wi-Fi」を提供しています。

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非常に便利なアプリですが、過去に脆弱性が発見され、Android/iOSの両OSで影響を受ける可能性があるとしていました。

発見後すぐにバージョンアップが実施され、脆弱性は塞がれました。

ところが、最近のバージョンでも再び脆弱性が発見されることとなりました。

今回もAndroid/iOSの両OSで影響し、アプリから悪意のあるサーバーへレスポンスが返った場合に中間攻撃者によって、任意のAPIが実行されるおそれがあるとの事。

最新版では修正されています。

非常に便利なアプリゆえ、「もしも」を考えると影響が大きいと考えます。

利用しているアプリについては、セキュリティ情報を常に気にすることで「セキュアな状態」を保ちたいものです。

このアプリを入れている場合(利用は訪日外国人に限定されていない様です)は最新版へのアップデートを。

終わりゆくサービス

日本では1995年にスタートした「PHS」(Personal Handy phone System)ですが、当初は「DDIポケット」(現Ymobile)、「NTTパーソナル」(後にNTTドコモ)、「アステル」とサービス会社が3社存在していました。

手軽に利用できることから、順調に導入数を伸ばし、一時は女子高校生にも人気となり、最盛期には約710万台となりました。

しかし、高級とみられていた携帯電話の料金が下がりだすと、圧倒的な利用範囲と端末の豊富さから携帯電話に流れる利用者が多くなりました。

料金の安さや手軽さなどの優位性は失い、「NTTパーソナル」と「アステル」は事業を終了しました。

残った「DDIポケット」(現Ymobile)も苦戦し、2010年には会社更生法の適用会社になってしまいました。

ただ、電波出力が低いという特性があるため、医療機関での利用があり細々と残っています。

システム構成自体がシンプルで基地局の設置コストも安価であることから海外でも一定の導入が行われ、「ラストワンマイル」をつなぐ技術となっている様です。

導入国としては「中国」「香港」「台湾」「タイ」「ベトナム」があり、その他「インド」「バングラデシュ」「ナイジェリア」「ホンジェラス」「マリ」「タンザニア」などの国が導入の検討を行っています。

かつては日本国内で利用していたPHSが「中国」「香港」「台湾」「タイ」でローミング利用出来ていましたが、現在はサービスを中止しています。

香港でのPHSは1997年にスタートしましたが、利用周波数帯(1895MHz~1906.1MHz)を他のサービスで利用するため、2016年5月10日以降、全面禁止になっています。

すでに2013年5月9日には新規契約が停止されており、期限内に3G/4Gサービスへの移行をアナウンスしていました。

2016年5月10日以降はPHSの利用と所持が禁止され、PHSを持っているだけで約72万円の罰金と禁錮2年の刑に処されます。

日本国内でPHSを利用している場合はうっかり香港に持ち込まない様に注意が必要です。

「持っているだけ」で「約72万円」と「禁錮2年」ですよ。

備えあれば憂いなし

地震大国、日本です。

今回の熊本地震で被災された方の無事を祈るとともに、確かな復興を願っています。

熊本地震での通信キャリアのNTTドコモとソフトバンクの取り組みを紹介しましたが、KDDIも4月19日からデータ通信容量を「10GB」増量する施策を発表しました。

音声通信網では利用が集中して利用不能になる輻輳がどうしても発生してしまうため、存分にデータ通信ができる環境を整備してもらうことは喜ばしいことです。

各通信キャリアが提供しているデータ通信容量の増量やWi-Fi網の開放を通して、コミュニケーションが図られると素晴らしいです。

今回の地震の最大震度は「7」ですが、過去にも多くの場所で同様な震度を記録した地震が発生しています。

文献を基に過去、日本で起こった地震の最大震度を記録したサイトが「古地震.net」です。

このサイトを拝見していると、実に多くの地域で今回と同じ震度「7」があることが分かります。

いつかどこかで、被災する可能性も考えされられます。

どれだけの備えができ、どれだけの持ち出しができるのか分かりませんが、「もしも」に備えは必要でしょう。

地震の話題ばかり続いていますが、「モバイル」を利用できる環境が整ってきたことで、今まで以上に情報交換が活発化し、効率的な支援と対応が可能になれば素晴らしいと思っています。

熊本地震

2016年4月14日21時26分頃、熊本県で最大震度「7」の地震が発生しました。

この地震での通信手段の取り組みと状況については先週末にお伝えしました。

その後、2016年4月16日、1時25分頃に最初の地震よりエネルギーの多いマグニチュード「7.3」の地震が同じく熊本県で発生しました。

後に、この日の地震が「本震」であり、14日の地震が「前震」とされました。

「本震」の揺れは最大震度「6強」と発表されていますが、震源地近くの震度計が14日の「前震」で故障していたらしく、詳しい震度は分かっていませんが、現地からによると「前震」時よりも長く、大きな揺れだったとの報告が相次いでいる様子です。

通信キャリア各社は自社Wi-Fi網を開放し、協同し、「00000JAPAN」(「0」は「ゼロ」)のSSIDでパスワードなしの無償接続を可能にしています。

また、被災者向けに支援措置の一環として、通信利用料の減免や端末の修理代金の一部減額などの措置を講じています。

これらの支援措置にくわえ、ソフトバンク株式会社では月間データ量を超えた場合でも、追加料金なしで利用可能データ量を増量する措置をとっています。

同様な措置はNTTドコモイオンモバイルmineo等のMVNOも行っています。

なお、Twitter等で「拡散希望」として流布される情報が散見されますが、正確な情報源を持っていない場合や「デマ」も含まれるため、確実な場合以外は控えるとともに、情報提供する場合は正確な情報源を明らかにするべきです。

情報収集する場合でも、「確実」と判断出来るものだけを取り入れた方が宜しいかと思います。

マスメディアも踊らされている様子なので、なかなか難しいですが・・・。

「前震」発生から実に540回を超える「余震」が続いています。

一日も早い復旧を、心よりお祈り申し上げます。

緊急時の対応

2016年4月14日21時26分頃、熊本県で最大震度「7」の地震が発生しました。

現在でも震度の大きい余震が続いています。

通信キャリアは被災者の安否確認用の通信手段として、Wi-Fi網の無償提供を開始しています。

熊本県内と九州地方で「00000JAPAN」(「0」は「ゼロ」)のSSIDが見つかれば、パスワードなしでWi-Fiの利用が可能です。

今回のこの取り組み(実施)は「Wi-BiZ 無線LANビジネス推進連絡会」が災害発生時のWi-Fi網有効利用を目的に整備し、行われています。

携帯電波網は一時的な集中(輻輳)で利用不能になることもあるので、この取り組みは心強いものとなります。

各キャリアの開放の状況は連絡会のサイトで確認出来ます。

従来からの音声電話による災害伝言ダイヤル「171」も有効な情報交換となります。

「171」に電話し、自分の電話番号(携帯番号等を含む)を登録して、30秒のメッセージが録音できるので、電話番号を知っている人は安否確認ができます。

また、Googleはウェブサイトで安否確認を可能とした「パーソンファインダー」を公開しています。

このサイトでは「人名」または「電話番号」を手掛かりとした情報検索や安否情報の提供機能が備わっていますので、「00000JAPAN」で接続したWi-Fi環境から利用するのもいいかもしれません。

まだまだ予断を許さない状況ですが、多くの被災された方の無事を祈っています。

電波の様々な利用

電波の利用効率がいいと言われている「LTE」(Long Term Evolution)がしっかりと普及していますが、それでも増加するモバイル端末へ、より快適な対応が進められています。

現在モバイル端末で利用可能な周波数帯では捌き切れない可能性から、「5GHz」という高周波帯の利用も検討に入ってきました。

「MNO」(通信キャリア)から回線を借り受け、通信サービスを展開している「MVNO」(仮想移動体通信事業者)も増えてきて、設定されている周波数の利用も進みがちで、混みがちです。

特定の端末利用なら、通信事業者のネットワークに依存しないで実行できる端末も登場しています。

デジタル簡易無線タブレットの「Mix-100」です。

Mix_100

要はトランシーバーなのですが、OSにAndroidを搭載した「画像を送付する」機能に特化した端末といえます。

通信はデジタル簡易無線方式を利用しているため、データ通信速度が出ません。

そこで、特殊な画像圧縮技術を使い、データ通信速度が遅くても十分な画質の画像を送れる様にしています。

無線通信では見通し1km~4kmの範囲で可能となり、災害時には素早く現場の画像を送信することが可能となるので、災害時対策も素早く展開出来ることが望まれます。

片や「Bluetooth」技術を利用した通信もありました。

Beartooth

「Beartooth」です。

通信キャリアの電波が届かない様な場所でもこのデバイスを持っていれば、Beartooth同士でボイスメールやテキストチャットが可能となり、地図上でお互いの場所も把握できます。

通信可能な見通し距離は約2マイル(3.2km)で、1GHz未満の周波数帯を利用している様です。

通信キャリアの電波に依存しないので、アウトドアでの利用で重宝しそうです。

様々な周波数帯とデバイスの利用で分散が図られれば、より快適な通信環境が生まれるかもしれません。

今後も期待したいデバイスと技術でした。

新たな周波数の割当て

モバイル端末を複数台持ち歩く人も珍しくなくなりましたが、今やモバイル端末の契約数は2015年12月末時点で約1億5500万台(PHS除く)となり、日本の人口を超えています。

この増加に伴い、現在利用している電話番号の「枯渇」が考えられる様になり、新たに「060」が追加される可能性が出てきたりしています。

利用している「電波」も有限なので、端末の増加に合わせて足らなくなっています。

電波の有効利用として「LTE」(Long Term Evolution)という技術が登場しましたが、それでもなお心配が増えています。

Wi-Fiも電波を利用していますが、利用している周波数はケータイと違って、「2.4GHz」と「5GHz」の周波数帯を使っています。

「2.4GHz」帯は電子レンジでも利用されていて、電子レンジを利用している時にWi-Fiが繋がりにくくなる、なんてこともあります。

「5GHz」帯は比較的空いているので、この帯域を利用するWi-Fiはスムーズなアクセスができる場合が多いです。

その「5GHz」帯でLTEを利用する動きが出てきました。

NTTドコモは中国/ファーウェイと協同で5GHz帯を利用したLTE通信の実験を行い、成功させています。

この帯域は電波利用の免許が必要ないので「アンライセンスバンド」と呼ばれていて、自由な電波利用ができます。

ただ、単独で利用する訳ではなく、他の携帯電話用周波数帯と合わせて、「CA」(キャリアアグリゲーション)として利用することになりそうです。

Wi-Fiで利用している帯域なので、Wi-Fiに干渉しない様な仕組みを構築する必要がありますが、暖かくなる頃には規格化されて、実用化に動き出しそうです。

この技術は「LAA」(Licensed Assisted Access using LTE)と呼ばれ、Wi-Fiより電波の利用効率が高いことから、期待される技術となっています。

つながりやすい環境が増えてくれるのは嬉しい限りです。

なお、MobiControlは端末と管理サーバーが通信できる状況であれば、端末の場所や地域を選びません。

端末が外国にあっても、日本国内からの管理が可能です(実際の事例もあります)。

もちろん、閉鎖されたネットワークでも利用が可能です。

MWC 2016 その3

スペイン/バルセロナで開催されたMWC(モバイル・ワールド・コングレス)は25日(現地時間)を以って閉会となりました。

MWCの続報となりますが、今回は端末の話題ではなく、セキュリティの話。

来日する外国人(インバウンド観光客)向けに通信インフラの整備として街中のWi-Fi環境も随分と整ってきました。

今では小田急電鉄、西武鉄道や近畿日本鉄道、JR各社などの鉄道系、東京都交通局、京王バスやリムジンバスなどのバス系、京都市、神戸市や静岡県などの観光地など様々な場所でFreeなWi-Fiが利用可能となっています。

これらのWi-Fi利用ではIDやパスワード、または特別な認証などが必要となりますが、街中のWi-Fi電波を探すと、正に「Free」なスポットが存在します。

セキュリティ対策企業のチェコ/Avast Software社はスペイン/バルセロナで実験をしました。

MWC開催期間中のバルセロナ空港で、公式を装った「Starbucks」、「Airport_Free_Wifi_AENA」や「「MWC Free WiFi」」といったSSIDを持つWi-Fiスポットを設置しました。

設置したWi-Fiスポットへはパスワードなしに接続が可能な様にしてあります。

4時間の実験となりましたが、その間に2,000人以上がアクセスし、8,000,000パケット以上のデータが流れたとの事です。

その間、端末情報はダダ漏れとなり、「50.1%がiOS端末」「43.4%がAndroid端末」、「61.7%のユーザーがGoogleで調べ、Gmailをチェック」、「1%のユーザーがデート用アプリを利用」などの様々な統計が取れてしまいました。

更に、63.5%の端末からはユーザーや端末に関する機微な情報が取得できたとの事。

空港での実験だったので、MWCに来る外国人がほとんどだと考えられ、費用を掛けずにデータ通信を試みた結果かと思いますが、安易な接続は重大な結果をもたらす可能性を示唆しています。

怪しげな「Free」のSSIDには接続しないかと思いますが、今回みたいに尤もらしいSSIDでは気が緩んでしまう様です。

悪意を持った第三者から情報を守るためにも、街中にあるWi-Fiスポットにアクセスする際は信頼できる提供元であるかしっかり確認した方が宜しいようです。

街中が快適に

来訪する外国人向けに提供する通信環境を、色々な国の事例や日本での取り組みなどを何回か紹介してきました。

また、素晴らしいサービスでは日本でも取り入れて欲しいと思い、紹介をしています

紹介した中の一つに「LinkNYC」があります。

LinkNYCの取り組みは、利用頻度が減ってきた「公衆電話」をWi-Fiスポットに置き換える、というものです。

2014年11月に発表された、このサービスですが、着実にプロジェクトが進んでいて、とうとうサービスインに漕ぎつけた様です。

記事で紹介した当初は2015年内のスタートを目処に、約10,000箇所の設置を目指す、としていたところ、今月にサービスイン。

ニューヨーク市の委託を受けた「CityBridge」というNPO法人が運営するこのサービス、先ずは4台からのスタートの様ですが、将来的には今のところ7,500台の設置を目指す様です。

デジタルサイネージを搭載した筐体には、Wi-Fiアクセスポイントの他、アプリを利用した無料の国内通話、緊急電話、充電用のUSBポート、埋め込まれたタブレットによる各種サービスへのアクセスが備わっています。

バックボーンが「1Gbps」もあるので、通信速度も快適との事。

ネタ元の一つで実際の通信速度を測っていますが、なんと約436Mbpsのスピードが出ています。

某コーヒーハウスが提供するWi-Fiサービスも出ていますが、55倍の開きがありました(もっとも、某コーヒーハウスのWi-Fiサービスも十分ですが)。

現在はサービスが始まったばかりなので、利用者が少ないため非常に高速な結果となっていますが、これならスポット近くに多くの人がいて利用しても大丈夫そうです。

街中で、ちょっとしたデータ通信を行う場合はとっても重宝しそうです。

東京でも、オリンピックに向け、実現してもらいたいものです。