モバイル技術と医療

※MobiControlの開発元SOTIからの発信内容をご紹介します
(原文https://www.soti.net/resources/blog/2020/why-mobile-technology-is-critical-to-the-global-fight-against-covid-19/)

新型コロナウイルスの規模で世界が最後にパンデミックを経験したのは、1918年から1920年にかけて発生したスペインかぜでした。5億人が感染し、3500万人が死亡したと推計されています。当時の医療技術は現在よりも発展しておらず、甚大な被害となりました。

スペインかぜへの対策として医療専門家が実施していたのは、学校や公共施設の閉鎖でした。市民は屋内にとどまり、他人との密接な接触を避けることを求められました。1

スペインかぜから1世紀経った現在でも、「密接な接触を避ける」という基本的かつ効果的な対策に変化はありません。
一方で、医療技術は格段に進歩しました。

◆モバイル技術と医療
今回のウイルスについて未だ解明できていない点は多く、終息のためにはより多くの情報が必要です。モバイル技術は、それらの情報収集や、情報をもとにした医療行為に役立っています。
下記はその一例です。

・タッチレス体温計
タッチレス体温計は、機器を舌や耳の中に置く代わりに、人の額をスキャンするだけ、つまり物理的な接触なしで瞬時に温度を読み取ることができます。

空港等の検疫所にてこれを用いることで、簡単にかつ安全に検温が行えます。
高熱は、コロナウイルスに感染したことを示す明確な兆候ではありませんが、高熱だった場合には予防策を講じることができ、感染拡大に役立ちます。

・スマート体温計

上記で述べた通り、高熱だからといって感染しているとは限りませんが、高熱患者が密集している地域があれば、クラスターの可能性が伺えます。

アメリカの医療技術企業であるKinsaは、使用されている体温計の測定値を中央データベースにダウンロードし、そこから、リアルタイムでヒートマップが生成するシステムを利用しています。
マップで通常よりも高熱を出している人々が多い地域が確認されれば、クラスターの可能性があるとして、保険当局が素早く適切な処置を行うことができます。

◆病院のロボットとドローン
ロボットとドローンのテクノロジーは、世界中の小売環境で使用されています。最近のSOTIレポート、「Bricks to Clicks:Navigating the Retail Revolution」では、31%の顧客が、自宅に荷物を配達するドローンに満足しているという結果が示されています。

現在、新型コロナウイルスの蔓延を抑制するべく、人々が通常実行するタスクを代わりに処理するロボットとドローンが配備されています。

・消毒:強力なUVライトを備えたロボットが、新型コロナウイルスで汚染されている可能性のある病室や領域を消毒するために送られます。UVライトは有害なウイルスのDNAとRNAに損傷を与え、ウイルスの増殖能力を妨げます。2
・道路の清掃:中国やヨーロッパでは、影響を受けたエリアにロボットが送られ、大規模な集会エリア、道路、歩道に消毒剤が散布されます。3
・食事の配達:既に隔離された患者に食事を配達するためにロボットが使用されていますが、家庭への食事の配達もまた、パンデミックを乗り越えるために不可欠であると考えられています。4
・医療用ドローン:医療用ドローンを用いて処方箋や医薬品、検査資料等の配達を行うことで、薬局や検査施設の混雑を緩和することができます。
他人との接触を制限することができ、且つ遠隔地に住む人々にも適切なサービスを提供できる画期的な手段と言えるでしょう。5
・遠隔医療:医師がアプリケーションやモバイルテクノロジーを利用することで、新型コロナウイルス以外の患者は病院に足を運ばずとも診察を受けることができます。
一例として、スマートフォンで脈を測り、データを病院に送信するといった診察方法があります。
・エンフォースメントドローン:ベルギーでは、外出制限を守らなかった場合、警察機関のドローンにより自宅へ帰るよう音声で促されます。

◆3Dプリンター
新型コロナウイルス患者が重症化した際には、レスピレーターやベンチレーターが必要不可欠ですが、感染者の増加に伴い、これらの配給量が不足する問題が発生しました。

これを解決するのが3Dプリンターです。
現在3Dプリンターメーカーは、レスピレーター/ベンチレーター、さらには前線で働く人々向けに、フェイスシールドやガウン等PPE製品を製造できるユニットを増強/開発しています。6

3Dプリンターのメリットとして「いつでも、どこでも、何でも」製造できることが挙げられますが、この緊急時においてもその力を最大限に発揮します。

・いつでも:印刷材料さえあれば、3Dプリンターは24時間体制で必要なものを製造できます。
・どこでも: 3Dプリンターは必要に応じてどこにでも導入できます。また、デバイスの管理についてもどこでも行うことができます。
・何でも:マスク、フェイスシールド、検査用スワブ、人工呼吸器など、治療に必要なものは何でも、3Dプリンターは迅速に製造することができます。

◆アプリケーションによる感染拡大の追跡
キングズ・カレッジ(イギリス)の遺伝疫学者により開発されたアプリケーション「COVID Symptom Tracker」は、感染が多発している地域や感染速度、感染リスクの高い人の把握などが行えるものです。

このアプリケーションはわずか3日で作成され、かつリリース後はスピーディーに利用が広まり、イギリスでは現在多くの人が利用しています。7

ユーザーはこのアプリケーションにて年齢、身長、既往歴などの個人情報を登録後、体温等の健康状態を毎日報告します。

この情報を使用することで、医療専門家はウイルスの蔓延場所の特定が行えます。また、軽症で済む人と、重症化してしまう人の違いを究明することに役立つといいます。

アプリケーション開発やそれによる情報収集が迅速に行えるということは、それだけ早く今回の問題に対応ができ、多くの人々を助けることができることに繋がります。
不確定要素の多い「新型」のウイルスとの闘いにおいて、これらは重要であると言えるでしょう。

ウイルスがどのように人々に影響を与えるか、どのように反応するか、どのように広がるか、どのように変異するか、およびその他の一般的な行動を知ることはすべて、効率的なグローバルレスポンスの通知に役立ちます。これは、世界中のどこからでもリアルタイムで状況を収集できるモバイルテクノロジーの助けがなければ不可能です。

◆SOTIは新型コロナウイルスと闘う人々とテクノロジーに敬意を表します
SOTIは、最前線の医療従事者の努力と献身、および新型コロナウイルス患者の診断、治療、に使用されている革新的な技術を称賛しています。彼らはこのパンデミックの真のヒーローです。どちらも24時間年中無休で、新型コロナウイルスの影響を受けた人々を支援し、ケアしています。

また、医療従事者ではないからといって、決して私たちが無関係なわけではありません。各個人が公衆衛生当局のアドバイスに従ってウイルスの蔓延を阻止することが重要です。
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1. History.com, 1918 Flu Pandemic
2. BBC, Robots Use Light Beams to Zap Hospital Viruses
3. Business Insider, Robots Fighting Coronavirus in China and Europe
4. National Post, Food Delivery is Essential During the COVID-19 Pandemic
5. Toronto Sun, Drones Could Deliver Medical Supplies, Blood Samples During COVID-19 Crisis
6. 3D Printing Industry, 3D Printing Community Responds to COVID-19
7. BBC, Coronavirus: Tracking App Aims for One Million Downloads