SIMロック解除の義務化はあと少し

以前に、方針の決定についてはお知らせをしていましたが、総務省はSIMロック(※)解除の義務化について2015年5月販売予定の夏モデルから実施することを決定し、今月末にも新制度案を公表すると毎日新聞が伝えています。

※利用者情報などが格納された通信カード(=SIM)の利用を、契約した通信事業者向け端末のみに限定している制度。なお、現在は今使っている気に入った端末を他の通信事業者で利用したいと思っても、その事業者に同じモデルがなければ利用できない。また、同じモデルがあったとしても端末を買いなおさないと利用できない状況となっています。

SIMロック解除の義務化については、公表後のパブリックコメント(意見公募)を経て実施となる模様で、現在でもロック解除を受け付けていますが解除料を取られたり、解除可能な端末が限定されている状況が、端末購入後なら原則無料でいつでも可能になる様です。

ただし、SIMロック解除後に通信事業者を変更した際に、元の事業者の端末に残金がある場合は、残金の支払いを引き続き元の事業者に行うことになりますし、端末によって対応周波数や通信方式に違いがあるため、変更先の周波数帯や通信方式に合致していないと利用できないので注意が必要です。

この制度変更により、通信事業者間の端末利用者流動化による競争が進み、料金体系も変化する可能性が高くなると考えています。
現状の販売環境をみてみると、新規での囲い込みのみに集中していますが、これが長期利用者にも恩恵を受ける料金体系が出てくることに期待します。

その他の環境面として、既にSIMフリー端末(最初からSIMロックされていない端末)も販売されており、国内で非常に人気のある「iPhone」もSIMフリー端末をオンラインショップやアップルストアで販売していますし、AndroidもGoogle謹製端末である「Nexus」シリーズをGoogle Play StoreでSIMフリー端末として販売しています。

最近の話では台湾ASUS社のSIMフリーAndroid端末である「ZenFone 5」がASUSのオンラインショップやMVNO(仮想移動体通信事業者)を通して11月8日に発売予定となっていますし、ファーウェイ・ジャパンはファブレット端末(※)の「Ascend Mate7」を12月にMVNO各社、家電量販店、オンラインショップを通して販売するとしています。

※「Phone」と「Tablet」を合わせた造語で、スマートフォンとタブレットとの中間の大きさを持つ端末を呼称します。

通信事業者(通信キャリア)を通さずにSIMフリー端末が販売される現状から、SIMロック解除義務化は必然なのかもしれません。

また、SIMロック解除の義務化はMVNO各社にとっても朗報になるかもしれません。
DocomoやAUといった通信事業者(通信キャリア)から回線を借り入れて通信事業を行っているMVNOですが、キャリアに比べて魅力ある料金体系を構築していますので、キャリアから流れてくる利用者も増加するのではないでしょうか。

キャリアへの希望としては、安価に利用できるプリペイドSIMが販売されると、来日する外国人の利用が見込まれるので収益をあげる一助になるのではないでしょうか(政府は海外からの観光客を増やす政策をとる方向ですし)。

国内在住者が海外へ行く場合でも端末がSIMフリーになっていれば、現地で格安なプリペイドSIMを購入し金額/時間/データ容量を気にせず利用できるので大変助りますし、海外出張が多い企業利用でも通信料金の低減が実現されるので歓迎されるかと思います(現地SIMを利用することにより、キャリアによるローミング料金に比べ、データ通信料金/通話料金が1/10から1/3程度に圧縮されると見込まれます)。

SIMロック解除の義務化により、端末利用者のメリット享受が多いことを考えると、歓迎されるお知らせとして来年5月を待ちたいと思います。